私たちの物語 #44~導かれた答え~
「オルセン司祭、傷の具合はどうですか?」
「あら、昨日の冒険者さんたち。危ないところ助けていただき、ありがとうございました。お見舞いに来てくれたんですか?」
「ええ。それと、ちょっと見てほしいものがありまして。これなんですけど。」
「これは、ビラですか?......ナルザル神について書かれていますが、ひどい内容ですね。司祭が書いたものとは思ません。これが、どうかされましたか?」
「やはり、トトレイの予想が当たっているかもな。」
「あの、オルセン司祭。最近、司祭が人を集めているなんて話を聞いていませんか?」
「そのような話は聞きませんが......そういえば、ずいぶん前になりますが、司祭の衣装が教会からなくなったことがありました。もしかしたら、誰かが司祭に成りすましている?」
「どうやら謎が解けてきたみたいだな。2人は、イセムバードにこのことを伝えて、注意するよう言ってくれ。偽司祭については、俺の方で何か策を考えておく。」
「イセムバードさん、貧民が消える謎がわかりましたよ!」
「そうか!いったいどんなことになっているんだ。」
「どうやら、貧民が司祭様に心を開いていることを利用して、司祭になりすまして貧民をどこかに連れて行ってるみたいです。」
「なるほど。司祭様に......ありがとう。怪しいやつにはより目を光らせておくよ。」
「あ、やっぱりこっちにいたね~。」
「お~い。戻ったぞ~~。」
「あ、トゥーグロナさんにアレックス。おかえりなさい。」
「おかえり、2人とも。」
「なにがおかえりだ!そっちだけで飯食いやがって!こっちは、いろいろ大変だったんだぞ!」
「いやぁ~。アレックス君にあそこまで体力がないとは思わなかったね~。」
「アレックス、トゥーグロナさんに迷惑かけたんじゃないの?」
「いいんだ、トトレイ君。おかげで、アレックス君とも仲良くなれたしね~。」
「本当ですか?本当に迷惑かけてませんか?」
「トトレイは、お母さんか!...はぁ、それで?そっちはどうだったんだ?なにか見つけたんだろうな。」
「ああ、トトレイが頑張ってくれたよ。アマルジャ族の協力者は、司祭のふりをして貧民を集めているみたいだ。」
「ほぉ。詳しく聞かせておくれよ。」
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