私たちの物語 #34~新たなる一歩へ~
「あら、おかえりなさい。なんだか騒がしかったけど、何があったの?」
「ガラの悪い男共に言いがかりをつけられてる奴がいたんだよ。まぁ、オレ様が蹴散らしてやったけどな!」
「あら、そうなの。依頼帰りで疲れてただろうに、ご苦労様ね。あ、それでね、あなたたちに紹介したい人がいるの。こっちへいらっしゃい。」
「あ、あの、初めまして。わたしはエッダと言います。あなたとお話がしたくて。」
「ん?わたし?」
「私たちは新人冒険者同士で冒険をしていました。でも、リーダーだったアヴィールは、グリダニアで命を落としました...」
「こいつ、ミューヌが言ってた奴じゃないか?」
「そうみたいだね。」
「それで?」
「アヴィールは、最初にあなたを見つけてから、ずっとあなたの話をしていました。あの冒険者はきっとできるやつだって...。その、アヴィールは、わたしの婚約者でもあって、彼が死んで、冒険者をやめようと思いました。」
「こ、これオレたちが聞いていい話なのか?」
「アレックス、ちょっと黙ってて。」
「でも、彼の言っていた通り、あなたの姿や戦う姿を見ていると、いつか、こういう冒険者になりたいと思ったのです。だから、もう一度、一から冒険者の修行をやり直すつもりです。最後に、皆さんのお名前をうかがってもいいですか?」
「オレは、アレックスだ!」
「なんで君が一番最初に名乗ってるのさ。エッダさん、Ryokさん、すみません。」
「あ、いえ。」
「私は、Dj Ryok。」
「あ、僕はトトレイ ララレイです。」
「...あの、そちらの方は?」
「どうしたんだ?トゥーグロナ?」
「ん?ああ、ごめんよ。ちょっと考え事を...。えっと、失礼したね。私は、トゥーグロナ。トゥーグロナ ワンワルゴウィンだよ。」
「皆さん、ありがとうございます。お話を聞いてくださり、ありがとうございました。さようなら!」
「最初は、冒険者ギルドの顔役なんて、面倒で嫌だったんだけど、今はやっていてよかったと思っているわ。いろいろな人生を垣間見ることができる。あなたたちに出会うこともできたもの!」
「あの子、これからどうするんでしょうね?」
「さぁ、それは、彼女が決めることよ。でも、さっきの宣言を聞く限り、いつか立派な冒険者になるかもしれないわね。」
「そうだと、いいですね。僕たちも、今は彼女の先を行けてるみたいだけど、うかうかしてられないね!」
「おうよ!」
「...トゥーグロナ、さっきからどうしたんだ?」
「いや、ちょぉっと気になってね。」
「あの子のこと?」
「そう。変なことにならなきゃ、いいんだけど...。まぁ、今考えたって仕方ないさ。今は、それより大事なことがあるからね。あんたの奢りで食べるご飯に、『暁の血盟』についてね!」
「…あら?『暁の血盟』ですって?」
「ええ、さっき外でその『暁の血盟』に所属する人たちからお話を聞いたんですよ。詳しいことは、モモディさんに聞けとも言われました。」
「そう。ついに動き出したのね...」
「『暁の血盟』って、何なんですか?なんだか、正義の味方だって言ってましたけど...?」
「ふふふ、気になるのね?冒険者なら、そう来なくっちゃ!...でも、まずはおなかが空いてるみたいだから、腹ごしらえからね。」
「あ、そういえば。」
「トゥーグロナもなんか知ってんだろ?そっちも気になるからな。しっかりとメシを食ってから、じっくり聞かせてもらおうぜ?」
「そうだね。それじゃぁ、モモディさん、おいしいご飯を山盛りで!お願いします!」
「......私の報酬から?」
「もちろん。そういっただろう~?」
「うぅ…」
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