私たちの物語 #11~第七霊災の幻影~
またか… 今度はなんだ...
あれは、カヌ・エ・センナか。双蛇党の隊士らしい人たちと、あとはそれとは違う制服に身を包んだ人もいる。
「戦況は...、...おい、応答しろ!...」
様々な指示や確認が行われているが、思い通りにいってないようだ。
「これがあの戦争なの?」
戦場は火に包まれ、空からは光線が降り注いでいる...
戦争なんて私には関係ないことだったし、馬鹿だった私には、ただ戦争があったということしか知らない。でも、これは何かが違う気がした。
「これ以上は...撤退しましょう。」
「ルイゾワ殿を見捨てるのか!」
「ルイゾワ様には、双蛇党を付けます。利益を顧みず参戦している冒険者たちでも撤退させねば...」
この戦争には冒険者たちも参戦していたのか。
ルイゾワ...あそこにいる人たちにとって大事な人のようだが、だれなんだろう?
カヌ・エ・センナが彼女たちがいる高台とは別の高台を見つめていた。
「あれは...この前の、確かアシエン。」
こんな時からアシエンは関わっていたのか...もしかしたら、もっと前かも。
アシエン。何者なんだろう?碌なもんじゃないんだろうけど。
そうか、これが第七霊災なんだ。
目が覚めた。
祭りの主役として呼ばれて、カヌ・エ・センナと話していたはずだが、ここは宿屋か?
「やぁ、起きたかい?」
ミューヌだった。
「おや?覚えてないかい?君は大御霊祭り中に倒れて、目を覚まさなかったから、あわてて僕が宿まで運んだのさ。」
今までも似たようなことはあったけど、倒れたのは初めてだな。
「このところ事件に次ぐ事件だったからね。疲れていたんだろう。もう大丈夫みたいだし、僕は帰るとするよ。」
「そうそう、カヌ・エ様が君に話があるみたいなんだ。今は不語仙の座卓にいらっしゃるはずだ。カヌ・エ様も君のことを心配されていたから、挨拶に行っておいで。」
私に話か。主役が倒れてしまったことについてだろうか?
「はぁ、そうだとすると気が重い...」
でも。眩暈が来る前にカヌ・エ・センナが言っていた「超える力」。あれは気になる。
とりあえず、行きますか。考えたところで答えは出ないし、丁度いい言い訳も思いつく頭はないのだし。
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