私たちの物語 prologue1 ~私は生きていく~
「はぁ、はぁ...くそっ!」
怒りのあまり手にした弓を投げ捨てる。
弓を扱うようになって、一週間ほどが経った。しかし、的に思うように当てられない。
もちろん、すぐに狙った場所に矢をあてられるとは思っていなかった。だが、こうも当たらないとは思っていなかった。
理由は2つ。1つは常人にはおよそ備わっているものが、私からは失われたということだ。日常生活においても最近まで大変だったのだ。戦いの技を磨くうえで、難儀しないわけがない。2つ目は気持ちだ。自分の中で整理はできている。決意も新たにした。しかし、自らの現状から、どこかで無理なのでは?と考えている私がいる気がする。...気がする?いや、実際思っている。
しかし、そんなことは関係ない。
私は生きている。
私は生かされている。
私は生きていく。
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