私たちの物語 #40~信じるは神か?~
「おい。ウグイストって、もしかしてあいつか?」
「あの人ってもしかして...この前、ウルダハでアレックスがつっかかった人じゃない?」
「それでも仕方ないさ。話しかけるとしよう。」
「なんだ?...て、お前ら!何しに来やがった。なんだこれは?」
「イセムバードからだ。」
「イセムバードからだと?......ちっ、貧民の行方を調べてるから教えてやれだと。ふん、ここいらの貧民は警戒心が強くてね、話しかけたらビビっちまって逃げてくくらいさ。ま、俺みたいな奴が昔、だまして重労働させたからなんだが。今じゃ、行方不明事件のこともあって、より一層警戒心が強くなってるぜ。嘘だと思うくらいなら、誰かに話しかけてみるんだな。」
「これが情報か?」
「まぁ、情報集めは大変だぞって情報かな?」
「つまり、役立たずだな。」
「なんだとこら!?」
「はいはい。ここでけんかしても意味ないだろ?とりあえず、話を聞きに行こうじゃないか。」
「おい!本当に誰もまともに話してくれね~ぞ!」
「僕の方もです。」
「みんなダメかい。それじゃ、どうするかね~?」
「もう一度、ウグイストに話を聞きに行くしかないんじゃない?」
「またかよ~。」
「どうだ。貧民の警戒心は強かっただろ?あいつらが心ひらくのは、神様くらいだぜ。だいたい、誘拐事件ってのも本当なのかねぇ。案外、他の集落に行って、よろしくやってんじゃねぇの?俺から言えるのはこれくらいだ。じゃぁな。」
「結局、振り出しですね。」
「ほんとに使えなかったな、あいつ。」
「そうでもないさ~。あいつだけならまだしも、私たちが話しかけても逃げ回るくらいの貧民が煙のように消えるってことは、犯人はそれだけ信頼を得ているか、信頼を得られることをしたってことだろ?」
「なるほど!」
「でも、そいつは誰なんだよ?」
「それは...誰だろうかね~?」
「司祭じゃないか?」
「司祭?そいつはどういうことだよ、Dj?」
「私が話しかけた一人が、俺たちに優しくしてくれるのは、司祭様くらいだって言ってたんだ。それに、ウグイストも、貧民が心を開くのは神様位だって言ってたろ?」
「なるほど。それは、調べてみるのがいいかもしれないね~。」
「墓地の近くに礼拝堂がありましたから、そこに行ってみましょう!」
「しかし、司祭がアマルジャ族と手を結んでいるとなると、何とも言えないね~。」
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