私たちの物語 #26~タムタラの墓所緊急事態~
「で?これは何なんだ?」
「壁じゃない?」
「壁だな。」
「結界だね~。」
「どうすんだよ!魔法撃っても壊れないぞ!」
「儀式を邪魔されてることがばれたかね~。これも特別な魔術だろうから、どこかに力の源があるはず。向こう側は、儀式の途中だし、こっち側のどこかだと思うんだけどね~。」
「あの~。あちらの方に、壁が崩れて先に進めそうなところがありますが、あちらでは?」
「お、トトレイ君、さっすが~。それじゃ、見に行ってみよう~。」
「これはあたりの様だね~。しっかり守ってらっしゃる。」
「で?また、あの球を壊せばいいのか?」
「う~ん。今までは、儀式を邪魔するためだったから壊してたけど、今回の場合はどうなんだろうかね~?」
「とりあえず、球を奪って、あの結界まで持って行けばわかるんじゃないか?」
「そうだね~。まずは、なによりあいつらを倒してからだよ。」
「では、いきます!」
「で?」
「んも~。で?が多いよ、今日。」
「わかんないもんは仕方ないだろ。」
「う~ん、これを結界に近づけて念じてみるかね~?」
トゥーグロナが球を結界に近づけると、結界が消え去った。
「おっ、正解だったみたいだよ~。」
「これで最後だ。さっさと終わらせるぞ。」
「はい!」
「よっしゃ!」
「りょうか~い。」
「これで、この球を壊せば、今回の依頼は終わりですね。」
「う~ん、そうなんだけど、なんだか嫌な感じがするんだよね~。」
「四の五の言ったってしょうがないんだ、さっさと壊すぞ。」
「そうだね。とりあえず、壊しちゃって~。」
「えい!」
「そら!」
トトレイとアレックスが最後の球を破壊する。
すると、墓所の空中に浮いていた大きな球に伸びる光が消えた。
しかし、大きな球は消えることなく、墓所の中央にある場所に降りてきた。
そして...
「これは、すこし遅かったのかもしれないね~。」
「みんな構えろ!」
トゥーグロナの言葉を聞いて、武器を構える。
『古の王の骸を依り代とし、ヴォイドの深淵より我を呼びしは貴様か?』
大きな球から今まで出てきた奴とは格の違いを感じる妖異が現れた。
「もう少し楽な依頼だと思ったんだけどな。」
「こうなっちゃったからには仕方ないでしょ~。しっかり倒して、依頼達成よ~。」
「トトレイ、気をつけろよ。」
「アレックスもへばらないでよね。」
『門を開いた愚者は、貴様ではないようだな...。まぁ、よいわ。貴様の脳髄を啜り、その精神の味を楽しむとしよう。』
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