私たちの物語 #47~焔神イフリート〜
「これから、オレたちどうなるんだ?」
「おそらく、アマルジャ族が信仰するイフリートに捧げられるんじゃないかね~?いや~、面目ない。」
「もともと、僕たちの作戦が向こうにばれてたんですから、仕方ありませんよ。悔しいですけど…」
「でも、なんで私たちをしっかり縛り上げたりしないんだ?」
「それは、こっちが消耗してるからじゃないかね~。こんな開けたところで、入り口に見張りがいれば、大丈夫ってことなんだろうさ。」
「なんかできないのかよ。このままってわけにはいかないだろ?」
「そうですよ。ずいぶん落ち着いてますけど、なにか作戦とかないんですか?」
「ないね。」
「そんな~。」
「…でも、何もできないってわけじゃない。」
「というと?」
「私にDjとアレックスが持ってる超える力にかける!」
「かける!って、過去が見えたところで意味ないだろ!」
「過去が見えるだけの力じゃないさ。超える力は蛮神への対抗手段でもあるって言ってたろう?それにかけるんだよ。」
「あの、トゥーグロナさんも、なんで超える力がどんなものかは知らないんですか?」
「そうなんだよね~。」
「なにを話している。来い、貴様たちも御神の祝福を受けるのだ。」
「おいおい、本当にここまでなのか~。」
「御神よ。これらは、神知らぬ無知なる者なり。御神の聖火をくべ、悪しき心を焼き尽くし、新たな信徒としてはべらし給え!焔神イフリートよ、来たりませ!」
そして、アマルジャ族の司祭らしき者の声にこたえるかのように、焔の中からそれは現れた。
「これが、蛮神…」
「こんなのとオレたち戦うのか?」
『人の子どもよ、我が聖火によりて、その魂を焼き鍛えん!』
「ここまでか…ごめんね。」
イフリートの口から、炎が吐き出されて迫ってくる。
「あれ?なんともない。」
「オレもだ。どうなってんだこれ?」
「いや、周りをみるんだ。まともなのは私たちだけみたいだよ。」
まわりを見ると、不滅隊の隊士たちは、どこか焦点が定まらない目で、イフリートに対する信仰の言葉を発していた。
「なぜゆえ貴様らの魂は焼き鍛えられぬ。もしや…貴様らはすでに外の神の祝福を受けているのか!?」
『お主等からは、他の神の色が見えぬ。お主らが天使い殿から警告のあった、神無き祝福を持つものたちか。なれば、禍根残さぬように始末してくれよう。さらば、神知らぬ人の子よ!』
「みんな、ここで踏ん張れば、なんとかなるかもしれないよ!」
「どういうことかわからないが、こいつをやらなきゃヤバいってことは聞いてるんだ。やってやるさ!トトレイ、いくぞ!」
「あ、ああ!僕たちでやらないとね!」
「さぁ、かかってきな!オレの魔法とお前の炎、どっちが強いか教えてやるぜ!!!」
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