私たちの物語 #39~アマルジャ族と消える民~
「あの、イセムバードさんでしょうか?サンクレッドさんの紹介で、最近起きている行方不明者の事件について調査に来ました。」
「やぁ。ミンフィリア君から話は聞いている。アマルジャ族に注意しろともね。ただ、この辺りは、元々アマルジャ族の被害が多い。先刻、墓参り客がアマルジャ族に襲われて、命を落とした。そこでだ、アマルジャ族がまだ徘徊しているので、その遺体を回収できていなくてな。君たちは腕もたつのだろう?遺体を回収してくれないか。ミンフィリアが犯人と言っているアマルジャ族を間近で観察することで、事件に関係する何かがわかるかもしれないしな。」
「この辺りらしいですが、遺体はどこでしょうか?」
「あれじゃないかい?」
「じゃぁ、その周りにいるのがアマルジャ族なのか?アレックス。」
「ああ。どうやら立ち去るみたいだ。もう少し待ってから遺体を回収だな。」
「でも、アマルジャ族を見ただけじゃ、特に事件につながりそうなことはわかりませんね。」
「そうだね~。」
私たちはアマルジャ族が立ち去るのを確認してから、遺体を回収した。
「遺体を回収してくれて、感謝する。埋葬については、私の方で手続きをしておく。これで、彼らの魂も救われるだろう。......ところで、君たちはアマルジャ族を見て思わなかったか?あの目立つ姿で、どのように貧民をさらっているかと。貧民は、まるで煙のように消えていくのだ。大きな声では言えんが、例の行方不明者の事件、共謀者がいるかもしれんぞ。」
「煙のように消える?」
「ああ、アマルジャ族による仕業と私が言いきれないのは、そこが理由だ。行方不明者は、突然消えているんだ。......次は、貧民について調べたらどうだ?彼らが煙のように消えていく理由...共謀者に何かつながるかもしれん。貧民の動向については、ウグイストという商人に聞くといい。ウグイストは、ドライボーン生まれのゴールドバザー育ち、気性は荒い奴だが、付近に住んでる者のことなら私より詳しい。今なら、酒場にいる。私が紹介状を書くから、渡すといい。」
0コメント