私たちの物語 #3~邂逅~
一夜明けて。
私は、近頃黒衣森に出没している不審者を探し、森の中を彷徨っていた。
「はぁ、なんの情報もないじゃない...」
当然ではあるが、ただ森の中を歩いてるだけで見つかるわけがない。そもそも、不審者についての前情報が何一つない。あっちがどれほどの情報を持っているかもわからないが...過ぎたことは仕方がない。何も見つからなければ、今日の帰りに聞いておこう。
特に収穫もないまま森を歩いていたが、気になるものを見つけた。
大きな木の切り株に剣が刺さっていた。
双蛇党の使用している剣とは違うもののようであるし、切り株の真ん中に剣を刺す意味が分からない。剣を調べに近づいてみると、そこには何か陣のようなものもあった。これも、件の不審者の仕業なのであろうか...
「その切株に剣を刺したのはキミ?」
考えていると後ろから声をかけられた。
ヒューラン族の女とララフェル族は...男の様だ。ララフェルは性別がわかりずらい。そして、モーグリ族までいる。
女の方は黒衣森であった大変なことについて延々喋っているし、男の方は何やら変な道具を使っている。何をしているのだろうか...
エーテルが乱れていると言っているが、どういことなのだろうか...と思っていたら。
「エーテルが乱されるとね、...ほらね、こういうことになっちゃう!」
いつの間にか魔物に囲まれていた。
乱される、という言葉に引っかかりはしたが、それどころではなくなったようだ。どうやらエーテルの乱れは魔物を怒らせるのか、呼び寄せるらしい。どちらでもいいが、ひとまずこの状況をどうにかしなければ。
「はぁ、はぁ...なんとかなったか...」
見知らぬ相手との共闘であったが、あちらはそこらの冒険者よりは場数を踏んでいるようだ。肩で息をしているものの、連携をとって魔物を相手していた上に、男の方は私に援護までしていた。
一応、あたりを見渡してみるが、どうやら危機は去ったようだ。そして、地面に光るものを見つけた。
「これは......」
眩暈がするような感覚。そして...
突然、あたりが暗くなった。
「なんだこれは...」
「ハイデリン...光の意思...」
「光の...クリスタル...」
これはあの時の...幻じゃなかったの...
一体、これは何なの......
ねぇ、あなたならどうするの...Darren...
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