私たちの物語 #2~小さき1歩より~
木工師。
伐採された木から木材を切りだし、加工し、様々な道具へと変える職人である。
森の都グリダニアにその木工師が集まるギルドがあるのは、当然と言えるだろう。気になった私は、その門を叩いていた。
ギルド内に入ると受付係なのか、とある男が話しかけてきた。木工師やギルドの成り立ちについて話を聞いた。どうやら武具の製作も行っているようで、グリダニアに居を構えるギルドにて使用する武具の製作を行っているらしい。グリダニアにあるギルドと言えば、槍術師、幻術師、そして弓術士である。
「入門を希望されるならば、ギルドマスターに承認を受けなければなりません。現在、マスターはギルド内にいらっしゃいますので、ご興味おありでしたら奥にて声をおかけになってください。」
どうやら私が興味を持ったことを感じたようだ。私よりもよっぽど見抜く目を持っているななどと考えつつ、
「ええ、そうさせてもらうわ。」
私は、木工師ギルドへの入門を決意するのであった。
さて、グリダニアへと来てから幾日かが過ぎた。
冒険者ギルドにて顔を出すと、ギルドの顔役を務めているミューヌに引き留められた。なんでも、グランドカンパニー双蛇党の隊士が訓練を行う、バノック練兵所なる場所があるらしく、人手不足で困っているらしい。知人が教官を行っているとのことから、問題解決のための人材供給と同時に新人の私にコネ作りの機会をということか。さすが、顔役をやっているだけのことはある。
バノック修練所に到着すると、装備はしっかりしろといきなりの指摘から始まった。冒険者ではなかったが、ここに来る前は傭兵まがいのことをやっていたし、そのことは経験上十分理解している。が、教官という立場からか言わずにはいられないのだろう。丁度、これらの活動のために新調を考えていたので、少々腹は立ったがこの機会にやるとしよう。
「...よし、それならいいだろう。」
どうやら教官殿のお許しが出たようだ。
そして、早速の依頼がやってきた。エオルゼア全土では第七霊災からこちら、様々な問題が起こり、いまだその解決にあたっている状態である。もちろん、グリダニアも例外ではない。グリダニアでは近頃、黒衣森にて不審者が出没しているらしい。また、時を同じくして黒衣森にて小競り合いを起こしているイクサル族の動きが活発になったとのこと。鬼哭隊や神勇隊で対処はしているが、動きがあちらに漏れているかのようで、なかなかうまくいっていないらしい。そこで、自由に動ける冒険者こと私に不審者の捜索を依頼したいそうだ。初仕事にしては何とも面倒な案件だ。
今日は、装備の新調に時間をかなり使っったので、日も傾きかけて十分な捜索は無理そうだ。いるとは思わないが、練兵所の周りを訓練がてら見まわってから帰るとして、本格的な捜索は明日からとしよう。
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